“水の都”を、救え!
“中国・蘇州をふたたび『水“の都』に!”。・・・今春、日中合同のプロジェクトが始まったいう。TBS系テレビ『夢の扉』という番組を、私は興味深くみた。
・・・あの水路の水をきれいにするのだって?私は、昨秋、ツアーで、たまたま蘇州を訪れていた。歴史の街・蘇州の名所観光の後、“運河めぐり”で舟に乗り、巡った水路、そこで目にしたのは、悪臭を放ち黒くよどんだ汚水の川であった。
片岸で洗濯をし、片岸でマートン(便器)をすすぐ光景を目の当たりにし、私は、蘇州の裏側の顔をみた思いであった。
蘇州が、かつて“水の都”と言われていた時代、水路沿いに暮らす人々にとって、そこに流れる水は、大切な生活用水であった。清らかな水には魚が泳ぎ、人々は水浴びを楽しみ、野菜を洗った。飲料用にもできるほど澄んでいたというかつての水の流れ。そのおもかげのかけらもなかった。
この地区には未だ下水設備が整ってない。そのため、人々の生活汚水が、延々と、水路に流れ続け、水の姿をかえてしまったのだ。
今や、水質基準“10”という最高の汚染度。アンモニアと同じだという水中には、魚はおろか生き物と名が付く物は生存せず、ヘドロの黒い花がコールタールのように咲いて(?)いるだけという。
・・・・・“水の都を救って”と、日本から招かれたのは物質工学が専門の小島 昭 先生という方。彼は、汚染が原因でうなぎが消失した後の猪鼻湖(静岡)の水質を浄化し、見事に天然うなぎの発生を復活させたという実績のある、水質浄化のスペシャリストだ。
小島先生の方法は、炭素繊維を利用する。もともとは、浄化作用のある炭が原料のものという。
番組では、水路10メートルにわたって両岸に杭をうち、1メートル間隔に炭素繊維の束を水中につりさげて、実験した。
そして1ヶ月後。炭素繊維には黒い汚れが付着し、体積が何倍にもなっていた。しかし、悪臭はない。そして、なんと、魚の卵が付着し、魚の生存が証明された。炭素繊維は水草の役目をし、ふたたび生き物が生まれようとしていた。
炭素繊維に付着した汚れに生物膜が出来、そこに微生物が発生し、その微生物を食べる魚が生まれる・・・という浄化の連鎖作用であると、説明されていた(・・・ように記憶する)
ともかく、“2020年までに水の都を復活しよう”を目標に、この日中合同のプロジェクトは現在進められている。
はたして、蘇州が、ふたたび“東洋のベニス”の代名詞で呼ばれる時がくるだろうか・・・?
当地の行政によって下水設備が施されないかぎり、人々は、今後も汚水を水路に流し続けるのではないかしら。炭素繊維と、生活汚水との、いたちごっこになるかも。目的が達成できるには、限りなく長い時間がかかりそうな気がする。
小島先生が番組の最後で言った言葉が印象にのこる。「・・・・ひとりひとりが、水を大切にする心を育むことが大切です・・・」









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